プレサバLARP前日譚~もやい編~
「惑星開拓支援 超特殊装甲部隊 惑星航行報告
第242報 23節
惑星間航行247日目本艦ベルクは、未確認飛行生物との衝撃により大破。
緊急スペースフルドライブにより船員は散ることとなる。
これ以上の航行不可を認め救助を求む。
SOS
SOS
SOS 以上送信」
「送信不可か。」
「クソっ!」
そう言うともやいは、足元の虫を踏み潰した。
「あの時、しっかりメンテナンスしておけば...」
もやいは、果てしなく大きな空を眺め後悔するよう呟いた。
時を遡り、数日前。
惑星クローム屈指の軍事会社グラッドは、Mr.もやい率いる「惑星開拓支援 超特殊装甲部隊」
【Electron】へとある依頼を持ちかけてきた。
役員「という事で、この新型兵器プルニウムミサイルと戦闘種族ジョセフ専用カラミティソードを届けて欲しい。」
もやい「なるほど。報酬は?」
役員「今回は、我社が誇る1大プロジェクトだ。成功させた暁には、600億クロンでどうだ?」
もやい「今回の依頼は、ナノスへの輸送ですのでそのリスクや時間を考慮すると報酬は、1000億クロンと最新鋭のMR彼女'結衣'で引き受けます。」
役員(こいつ、いつもそうだ。我々がどれだけの額をつもうとその上をいってきやがる。
それに今回はなんだ?MR彼女?そんなもん自分で作れよ!彼女くらい自分で作れよ!)
「わかったよ。金額に関しては検討させてもらうよ。では、よろしくね。」
もやい「YES以外の回答が得られなければ私はこの星を離れますのでよろしくお願いします。」
役員「あぁ、わかったよ。」
かくして私達は、3ヶ月間に及ぶ宇宙旅行に出かけるはずだった。
出発して間も無く事件は起きた。
セイマ「隊長!この船オーバーホール出したのいつだ?」
もやい「去年だったかな?」
セイマ「マジか。あんだけフルドライブ繰り返すのに去年以来してないんか」
もやい「しないとアカン系?」
セイマ「吹き飛ぶで。」
もやい「次には、しときまーす。」
セイマ「環状スペースエンジンの第二センターギア、第4バルブのオイルがカラカラやで!
次のポイントで緊急オーバーホールやな。」
もやい「はいよ。」
セイマ「まじで、メンテナンスは毎月せえよ。でないとすぐに火噴くで」
ソル「次のポイントは、1光年先のヘイレンやな。また、遅れるやん。」
もやい「すまん。すまん。これには、結衣ちゃんがかかってるから急ごっか。」
霊龍「結衣?ってもしかしてMR彼女の?」
もやい「大正解!(b`>▽<´)-bイエーイ☆゛」
霊龍「お前だけ勝手に貰いやがってぇ( #`꒳´ )」
ソル「まぁまぁ。いつもの事やん。こいつがキモいって事ですまそうや。」
霊龍「そうやな。俺は自分の力で勝ち取るから」
もやい「それで納得するなよォ。とにかく次のポイントまでは、どれくらいで着く?」
霊龍「フルドライブは、出来なくても全速力やったら10日くらいちゃう?」
ソル「そうやな。それならエンジンも持ちますかね?」
セイマ「かなり負荷がかかるからやるならヘイレンで総取替やな。買い替えた方が安いやろな。」
もやい「了解です。さぁ、行こか!」
キィィィィィィィィィィィィイン!
金属音がぶつかったような甲高い音が響く。
もやい、セイマ、ソル「痛ぇ!」
霊龍「後方より高周波炸裂ミサイルを確認!数5!着弾まで10秒!」
もやい「船体を左へ回転!避けるぞ!ショックにそな」
キュィィィィ!キャァァァ!
金属音が再び響く。
それはどこか生物的な音だった。
霊龍「ミサイルが追尾して、...違う!生きてる!」
ドゴォォォォォォォォォォォン!
霊龍「第2、第3補助翼破損!推進力低下!」
キュウン!キュウン!
ドゴォン!ドゴォン!
霊龍「主翼に直撃!船体が維持出来ない!」
もやい「緊急スペースフルドライブをする!」
セイマ「今、そんなことしたらエンジンが吹き飛ぶぞ!」
もやい「構わない!今は生き残る方が先や。
フルドライブの時にできるブリッジに脱出ポッドで突入して逃げろ!総員脱出ポッドへ向かえ!」
セイマ「隊長1人で残されへんやわ。俺も残る。」
もやい「行け!俺には、こいつがある!」
そう言うと、もやいは、セイマを脱出ポッドへ蹴り入れた。
もやい「エクリプスアーマー起動。」
ナビ「エクリプスアーマー起動確認。サポートします」
もやいは、操縦桿を強くにぎりしめた。
もやい「失敗は許されない。自信はないけどやるしかないよな。」
ナビ「脱出ポッド放出確認」
もやい「全バルブ開放、環状スペースエンジン点火、フルドライブ用ブリッジ作成開始」
ナビ「あなたはどうされますか?」
もやい「直接、ブリッジに飛び込む。
宇宙航空モードに切りかえ。」
ナビ「切りかえ完了。並びにバルブ開放、エンジン点火、ブリッジ発現を確認。」
もやい「バルブ開放ヨシ!エンジン点火ヨシ!ブリッジ作成ヨシ!フルドライブ開始!」
ナビ「フルドライブ」
船は、眩い光放つ輪の中へ吸い込まれるように入ってった。
もやい「ここからが本番だ。」
そう言うともやいは、船首のガラスを突き破り時空の歪みへ1人墜ちて行くのだった。
もやい「う、うぐぁ...」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁァァァ!」
ヒュ〜...ガン!ギン!ゴガガゴァン。
もやいは、身体から黒煙とけたたましい金属音をあげ地面へと墜ちた。
もやい「くそぉ。ここはどこだ?」
???「総員向かい撃て!」
????「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
見慣れない姿の兵士がこっちへ走ってくる。
何かと思い後ろを振り返ると...
広大な大地を詰め尽くすほど大量の化け物がこっちへ迫ってきている。
どうやら、戦争に巻き込まれているらしい。
それを理解したもやいは
もやい「エクリプス起動!ストライカーモードだ!」
ナビ「ギギ、てえて)えてきみとちむゆひてにゆきととちゆとこ)ええええええ」
もやい「マジかよww、ということは、逃げろぉぉぉぉ!」
もやいは、一目散にその場を逃げ出した。
そして運良く、エルフの国へ辿り着いた。
しかし...
明らかに場違いな格好をした私を見ると彼らは私を召喚した英雄と勘違いをしているようだ。
時折、私のように場違いな格好をした者が見えるが彼らこそ本物の英雄だろう。
(そんな気がする)
私は、とある部隊の隊長であったが今は、ただの人だ。
満身創痍の遭難者なのだ。
エルフ達は、私に戦って欲しいと言うが武器もなければ、サポートシステムであるエクリプスとストライカーすらない。
エルフなんて、エロ同人誌でしか見たことなく本物がいるとは思ってもいなかった。
堕ちたのは女エルフではなく戦争のど真ん中だ。
幸いにも船首が近くにある。
いくつか輸送武器である、カラミティソードはあるはずだ。
今の私には、どうすることも出来ない、
戦争の傍らでシステムを復旧させ更新を測るしかない。
ただ、これだけは言っておこう。
「私は、ツンツンしたダークエルフ派だ。」